ビデオ⑨ 自己紹介その2

印象に残る自己紹介

大人数の場での自己紹介が苦手とおっしゃる方が多いです。

「さあ、自己紹介をしましょう」と言われると、「イヤだな」という気持ちが体の中を走って、ますます気分が重くなってきます。
「もうなんでもいいや!」と思って開き直るけれど、言った後で、「やっぱりああ言えばよかったな……」なんて、思い返すこともしばしばです。
他人は私の自己紹介なんて、しばらく経てばほとんど忘れているのに……。

自己紹介を求められたとして、あなたは何を話しますか? 
名前、住んでいるところ、職業、参加の目的、それに加えて余裕がある人は、趣味や最近のできごとなどでしょうか。
参加の皆さんが同じような項目を話されるので、余程のキャラクターでない限り、印象に残りません。
これでは、せっかく自己紹介をするのにもったいないです。

 

そこで今回は、あなたの1つの話題に的を絞った自己紹介を考えてみましょう。
内容は短く、文章にするなら5~6行の分量でいいです。
今の自分を伝えるのにいいなと思う事柄を1つ選びます。

 

以前、私のセミナーで、こんな自己紹介をされた若いママさん社労士さんがいらっしゃいました。
紹介します。

「こんにちは、○○です。うちの家には、カブトムシの幼虫が50匹います。私は本当にイヤだったんですが、子どもが虫が大好きなので、仕方なく飼い始めました。でも今では、早く成虫にならないかなと、子どもと一緒に楽しみにしています」

 

この話、短いのに印象に残りませんか?
どこかの集まりで、彼女がこの自己紹介をしたとします。
集まりの後、初めて会った方でも「先程のカブトムシのお母さんですね」と声をかけてくれそうです。
そして、すぐに話が始まります。

「そうです。うちの娘、虫が好きで」
「えっ、お嬢さんだったんですか!」
「今度は、ショウリョウバッタを飼いたいって言ってるんです」
「まあ、大変!」と、どんどん会話が続きます。

 

自己紹介のテーマは、身近なものの方がおもしろいです。
コーヒーが好きとか、洗濯が好きとか、その人の日常的なことが聞き手には興味深いのです。
すごいことを話す必要はなく、ちょっとした生活の楽しみやこだわりなどをお話すると、もう、立派な自己紹介になります。
そんな話、聞いてみたいと思いませんか?

 

話す時のポイントは、相手に「聞いてくださいね」という「伝える気持ち」をしっかり持つことです。
自分のことを話す時は「意識」が前に移動しやすくなり、話す内容だけに必死になってしまいます。

自分が話すことで精一杯という自分中心の話し方では、あなたにとっても聞き手にとってもぎこちない時間になります。
なので、徹底的に「意識は後ろ」で話してみましょう。
どうしてこんなにしつこく言うのかというと、本当に、すぐに意識が前にいってしまうからです。

 

そこで今回は、内容を頭で考えながら話さなくてもいいように、しっかり文章を書いてみましょう。
頭の中で内容を組み立てて話すことができれば一番いいのですが、いい声にまだ慣れていないうちは、とにかく「意識」は後ろをキープできるように練習しましょう。

「意識」の場所を変えるのは、いわば、「意識」の住む場所を変えるぐらいの大きな変化です。
ボイストレーニングをご受講の方には、何度でも私が「意識」の場所をお伝えできるのですが、そうでない場合は、自分が話すたびに「意識」を後ろにすることに真剣に取り組まないと、すぐ元に戻ります。
慣れるまでは、なんとももどかしい気がするかも知れませんが、確実にやりつづけた人が、いい声と爽快感と心のゆとりを、自分のものにすることができます。

 

あなたの自己紹介が個性的でイキイキしていれば、会の終了後に人が集まって来てくれます。
「自己紹介おもしろかった」や、「私も同じことしています!」や、「詳しく教えて」など、この短い自己紹介の時間だけで、聞いた人の心に一石を投じることも可能です。
ぜひ、今度自己紹介をする機会がありましたら、今回考えた話題を使ってみてください。

 

それでは、作ってみましょう。
内容を考えながら、「どんな自分がみんなの前で話しているのかな?」という、数分未来のことも考えてみましょう。
紙とにらめっこするよりも、自己紹介をしている自分の姿を思い浮かべてみてください。
「意識」を後ろに置いて堂々と立ち、ニコッと笑って元気なあなたの姿です。
そんな私だったら、何を話すのかな?と思いながら、文章を作ってみてください。

 

文章ができたら、声に出して読んでみましょう。
アドバンス1の「自己紹介 その1」でやってみたように、3段階で読み方を変えてみます。

①そのままのあなたで読む
②「意識」を後ろにおいて、人の文章を読んであげるように感情を入れずに読む
③サラウンドで読む

 

今回も、ぜひ、録音してみてください。
最初と最後の挨拶の仕方もお忘れなく。

 

「意識」の置き場所で、気分が変わり、声も変わります。
人前で話すとき、あなたが「③サラウンドで読む」を選ぶことで、いい声で堂々と話す素敵なあなたが、すぐに登場します。
文章を考えたときの、イメージ通りのあなたです。

 

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