ビデオ⑥ 紙に負けない自分になる

 

ただ見えた字を読む

「暖炉の上の電気時計」

これは簡単に読めますね。

では、これは?

「京の生鱈 奈良生まな鰹」

一般的に難しいと言われている早口言葉です。

「この漢字は何?」「なままな?」など、頭の中に「?」が浮かぶと、「意識」が行ったり来たりして、声に変な抑揚がついてしまいます。

これをクリアするには・・・。

そうです。
頭の中に「?」が出てこなければいいのです。
ここが訓練のしどころです。
ただ、字を読むのです。
単純明快!

文の意味を考えようとしたり、「なんだこれは?」と「?」をつけたくなる気持ちはおいといて、ただ見た字を音に変えていくことに集中するのです。

 

まだ、この発声法に慣れていなくて、ちゃんと読めるだろうかと不安な気持ちになりそうですが、単純に見た字を音に変える集中力が、あなたをすごい人に変えていきます。

あなたの中から「慌てる」「焦る」「間違える」「できない」「自信がない」という言葉が、消えていきます。
その時、すごい人になっているのです。

 

次の早口言葉です。

「瀕死の使者が渋谷から日比谷へ必死で疾走した」

漢字が多いと、がんばって読まなくてはと目が文字にどんどん寄っていきます。
失敗が怖いから声が少し小さく低くなります。
そして、内にこもっていきます。
これは、文が書かれた紙に自分が負けている状態です。
難しそうな文が、自分より偉い存在になっているのです。

 

それを感じたら、「よしっ」と、あえてちょっと高めの声で挑戦してみましょう。
高めの声にすることで、後ろの「意識」をさらにしっかり感じることができるようになり、不安や迷いが消えます。
「こんな日本語、私が読んであげますよ!」という気分で読むとうまくいきます。

 

声を高くするには、後ろの「意識」の位置を、これまでより少し上に設定します。
声を高くすることで、「意識」を自分のコントロールできないところに離すことができます。
低めの声だと「意識」が体の外に離れにくいので、声を高くしてコントロールできないところにまで「意識」を離すことが大切です。
高い声は、声がひっくり返りそうなぐらいのところでOKです。
テンションが上って、エネルギーも高まります。

 

こんな状態で良いのかなあと、自分の「コントロールできないところ」に「意識」と「声」を離すことに、不安を感じます。
しかし、この不安な場所が、これからのあなたの世界なのです。
怖いと思ったその場所が正解なのです。
怖いと思うほどの場所に「意識」を離すことができたあなたは、すごいです。
あとは繰り返し意識して、この場所に慣れていってください。

 

いつもと比べてちょっと声が高すぎやしないかな、と思う声の高さでも、聞いた人はそれほど高くは感じません。
「あれ?今日は元気ですね。何かいいことあったの?」ぐらいの印象です。
録音して聞いてみると、それほど高くないことが確認できます。

 

気持ちはまだ不安定であっても、後ろの「意識」でゆっくり読めば、もう間違いません。
なのでこれでいいんだと、高めの元気な声で練習してみてください。

 

今よりさらに遠くに「意識」の位置を設定することで、よりいい声になります。
自分から2メートルぐらい後ろに何か目印を決め、そこまで「意識」を離してみましょう。
自分の「意識」が広がると、ますますいい声になっていくのです。

 

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