ビデオ⑤ 揺らがない自分を確立しよう

 

軸のある話し方を練習しよう

次の早口言葉です。

「崖の上の学校の頑固な学生がガラス戸をガンガン叩いてガリガリ先生にガミガミがなられた」

長いと、ついつい目が文の先を追ってしまいます。
すると「指メモリ」の親指で作られていた声が、薬指・中指に移動してパワーが落ちます。

「意識は後ろに置く」

「口の中の奥で音を作る」

これが無意識にできるようになるまでは、初めて自転車に乗った時のように何度も練習するしかありません。

 

この声の練習は、自分を客観的に見ることにもつながります。
頭の中で「後ろ」や「奥」などいろいろチェックすることがあると、自分のいつものパターンのクセが出にくくなります。
「ネガティブ」な気持ちになる余裕もなくなり、冷静になっていきます。     
話すことに不安を感じ、慌ててしまう自分は、もういなくなるのです。

これが無意識でできるようになると、話をしながら周りの様子を見、内容によって話すテンポを変え言葉を変え、わかりやすく工夫することができるようになります。

 

今はまるで自分らしさがなく、表現も乏しく棒読みのような気がしますが、この後ろの位置を自分のものにしたら、自分の周りの広い範囲に「意識」をめぐらせながら、自由に話せるようになっていきます。
そして、今までとは違うその話し方が、これからの「あなたらしさ」になります。

 

「意識」を後ろに置いて、しっかり言葉を言い終えることができるかどうかが、最重要課題です。
揺らがない自分の確立です。
感情で揺らぐことがなくなります。
ぶれない人、軸のある人です。
今までとは、全く違う世界で話しているぐらいの感覚の違いがあります。

 

わが道を行く人。
人は、こういう人に憧れます。
この話し方を続けると、性格も変化していきます。
変わるというより、本来の自分に戻っていくのです。
強さだけでなく、優しさや愛も、溢れ出てきます。

 

話し方は、性格と一致する

次の早口言葉を読んでみましょう。

「最新式写真撮影法」

 

短くてカンタン、と思わずに、最後の最後まで手を抜かずに読んでみましょう。
出だしはよくても、最後がいい加減な音で終わってしまう読み方をすると、聞いた人は、「この人は初めはがんばるけど、最後どこかで手を抜きそうだな」という印象を持ちます。
最後の最後まで、同じ質、同じテンポで言い終えると、「最後の最後まできっちり仕事をしてくれそうだ」という印象に変わります。
誰も口に出して言わないのですが、言葉にならない感覚でそう感じています。

 

この印象、意外と当たっていると思います。
以前、話下手だった頃の私は、自分の意見は持っておらず、ただ成り行き任せに会話に加わっていました。
とにかく会話に入れていることが最大の目標だったので、内容は二の次で言いやすい言葉で会話をつなぎ、声をチェックするなんて考えたこともありませんでした。
頭の中は今の自分のことだけで一杯で、相手の様子まで見ることはできません。
そんな頃の私は、時間や約束を守ることについても、独りよがりでいい加減でした。
時間に遅れる、提出物の期限が守れない、などです。
私一人ぐらいどうでもいいよね、と思っていました。

 

後にアナウンサーになって、最後までしっかり話せるように練習していく過程で、仕事に対しても人間関係に対しても、しっかりきちんとしようとする気持ちに変わってきました。
すると、焦ってバタバタすることもなくなってきました。
落ち着いて、自分も周りも見ることができるようになってきたのです。

文の最後の「。」マルまできっちり伝える。

この練習で、焦りが消え、頭も心も落ち着いた自分を取り戻せるようになると思います。

 

続いては、不動の自分で読めるようになるための練習です。

「社会情勢と周囲の諸情勢を参照する」

 

助詞の「と」や「を」などの文節の切れ目で、「意識」が瞬間、後ろから前に戻ってしまう方が多くいらっしゃいます。
文節ごとに気がゆるみ、軸がブレるのです。
このブレは、よく聞いていないとわからないほど些細なものですが、さらに「できる自分」になるために、後ろの「意識」が不動のまま読めるように「意識」を持続しましょう。

 

では、「ブレない自分、できる自分」を感じながら、長い早口言葉を読んでみましょう。

「この竹垣に竹立てかけたのは竹立てかけたかったから竹立てかけた」

 

読めましたか?
読めたらすごい!
こんな長い文を読めた自分に拍手です。

たとえ、ちょっと言い間違えがあっても、動揺せず、丁寧に言い直すことができたと思います。
実は、そこがすごいんです!

後ろに「意識」があると、言い間違えた時、動揺せずブレることなくゆっくり言い直すことができます。
そして、その言い直しを聞いて気にする人は誰もいません。
焦って読み間違えてしまった時「間違えた!」と動揺を表に出すから、「あ~、間違えたんだ~」と思われてしまうのです。

 

言い間違えはあって当たり前!
間違えたからって、そこで戸惑って調子を狂わせないでおきましょう。
堂々とした態度で、堂々と言い直してクリアです。
わざわざ、私間違えました~って、人に見せる必要はないのです。

 

聞いている人は、話し手が少々間違えたってなんとも思わないのです。
それよりも、間違えて焦っている話し手を見ると、ツライ気持ちになります。
これは、必要のない感情を人に感じさせてしまっているということなのです。
その場の空気も変わってしまいます。
なので、気分もテンポも変えず、スラッと訂正してください。
そして、次へ進みます。
かっこいいです。

 

もし動揺したら、なぜ動揺したのかを考えてみましょう。
必死に目で字を追ってしまったからでしょうか?
どこかで、ふと迷って不安になってしまったからでしょうか?
後ろの「意識」の軸が不安定だったからでしょうか?

 

「1、2、サーン」で後ろの「意識」の位置をバチッと決めたら、不動で読んで、一切「ネガティブ」な気持ちが浮かび上がってこないようにしましょう。
不動が難しい時は、「指メモリ」で耳の下の親指の位置を意識するといいかもしれません。

 

日常で話している時も、今どこに「意識」があるかに気づいてみましょう。
前に意識があると、迷いがあったり焦っていたりしているかもしれません。
後ろに意識があると、余裕があり安心感が生まれます。
どこに「意識」があるのかで、あなたの在り方が変わってくるのです。

 

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