ビデオ⑪ 音の高低

話すことと音の高低の関係

日本語は、文節の初めが高く、語尾で下がります。
そして、次の文節でまた高くなって語尾で下がります。
これが美しく文章を読むコツです。

 

次の文章を読んでみます。
この文章の中の、学生の「学」、久しぶりの「久」、電話の「電」を、音を高くして読んでみましょう。
特に、「電」は、ものすごく高い位置から声を出します。

生時代の友人と、しぶりに、話で話をしました」

 

本当は、
「がくせーじだいのゆーじんと、ひさしぶりに、でんわでなしをしました」
なのですが、あまり詳しく追求しなくてもできているので、ぱっと見てどこを高くするのかわかりやすいように「学」「久」「電」を高くするイメージ表示にしました。

 

続いては悪い例です。

生時代の人と、しぶりに、電話でをしました」

最後の文節は、真ん中の「話」が高くなっていますが、「電話」の「電」を高くするほうが、耳にすんなり入ってきます。

また、「学生時代」と「友人」に同じようなアクセントを付けると、言葉がばらばらな印象になるので、「の」でつながっている言葉は「学生時代の友人」と一つにまとめて読むとわかりやすく伝わります。

 

では、もう一度読んでみましょう。

生時代の友人と、しぶりに、話で話をしました」

 

」は、とても高い音で読みます。
高すぎる~、というぐらいでOKです。
「こんなに高い声を出したことはありません。やり過ぎです」と、おっしゃるぐらいがちょうどいいです。

録音して聞いてみると、「随分高く出したつもりだったのに、普通に聞こえますね。『電』は、もっと高くてもいいぐらいですね」という結果になります。

そうなんです。
思った以上に実際の自分の声は高くないんですね。
文章の中の重要な語は、かなり高くしても違和感なく聞こえます。
相手にとっては、はっきり伝わるのでわかりやすいのです。

 

また、一つの文章の中で、高い音と低い音の幅が大きければ大きいほど、豊かな表現になります。
幅を大きくするには、出だしの音をとても高く出しておかないと、低い音との差が少なくなります。
ですので、最初の音を高く出すように意識しましょう。
高い音は気分を高揚させますから、さらに元気で楽しく話し始めることができます。

 

では、もう一つ、文章を読んでみます。

この文章では、明日はの「明日」、会議室の「会」を高くしてみましょう。
会議室の「会」を、先ほどの電話の「電」ぐらい高くすると、さらに耳に入ってくる印象が良くなります。

明日は10時に、議室にお集まりください」

 

これも本当は、
「あじゅーじに、かいぎしつにおあつまりください」
ですが、アクセントを追求するのはやめて、「明日」「会」から高くするイメージでやってみましょう。

アクセントを意識しすぎると、ぎこちない話し方になるからです。
「かいぎしつ」の「いぎ」にアクセントがつくのですが、「いぎ」にアクセントをつけようとすると、微妙に音を高くするタイミングが遅れることがあります。

音を上げるタイミングがずれると聞いた感じの印象が良くないので、あまり細かくアクセントの位置は気にせず、「かいぎしつ」の「か」の音から、高く音を出すぐらいがいいと思います。
「会」を高くして、後は、すんなり下がっていくのが、聞いていて気持ちがいいです。

 

それでは、悪い例です。

「明日は10時にぃー、会議室にぃー、お集まりください」

語尾が気になりますね。

 

それでは、もう一つ悪い例です。

明日は10時に、議室お集まりください」

おしいですね。
「会議室に」の「に」にアクセントがついてしまいました。

少し助詞の音が上がるだけでも、不安定な印象になってしまいます。
助詞が上がってしまうクセは、本当に意識をしないと直りません。
話している本人が、気がつきにくいからです。

しかし、「スピリットボイス」で後ろを意識して話していると、耳につく語尾が自然に目立たなくなってきます。
これは、私も不思議です。
どんどんクセが取れていきます。

 

一つの文章の中で、高くする言葉を変えることで、何を伝えたいのかが変わってきます。

「明日は、10時に、会議室にお集まりください」
と言えば、「10時」が強調されますので、強調したい言葉を高く読みましょう。

 

方言のアクセントですと高低の場所が違うかもしれません。
今回お伝えしたのは、標準語の高低アクセントです。
なので、違和感があると感じた方もいらっしゃると思います。
アクセントの置き場所は違うかもしれませんが、表現を豊かにするために、話し言葉に高低をつけることをオススメします。

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